商談の記録から集計した、AI研修の導入前の懸念
AI研修の導入を検討する企業から出る懸念は、助成金・費用・セキュリティ・決裁の4つが特に多く、ほかに助成金の後払い、今使っているAIツールとの兼ね合い、データの状態などが続きます。どれも、確かめ方が決まれば判断を前に進められる論点です。
この記事の集計は、当社が2026年8〜9月に行った、AI研修・AI導入に関する7社との商談がもとになっています。商談の録画を自社の統合管理システムでAI分析し、商談ごとに、相手が示した懸念、関心を持たれた点、検討が止まりそうな点を抜き出した記録から、同じ種類の懸念をまとめました。社数が少ないため割合では示さず、出た頻度の目安として扱います。会社名や、個別の商談が分かる事情は載せていません。会話からAIが相手の懸念を判定する仕組みの例は、商談のリアルタイム分析のデモで操作できます。
法人向けAI研修とは
企業が社員に、生成AIを業務で安全に使い、自分の業務を効率化できるようにするために行う研修です。ツールの操作だけでなく、入力してよい情報の判断、結果の確かめ方、どの業務に使うかの設計までを扱います。一定の要件を満たすと、厚生労働省の人材開発支援助成金の対象になりえます。
商談で出た懸念(出た頻度の目安)
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| 出た頻度の目安 | 懸念 |
|---|---|
| 特に多い | 助成金が使えない(雇用保険の加入者がいない)、費用・期間の妥当性、決裁・タイミング、セキュリティ |
| 複数の商談で出た | 助成金の後払い(研修費を先に全額払う) |
| それぞれ1社で出た | 今のツールとの兼ね合い、データが整っていない、活用のイメージがない、社員のITスキルの差、開発を自社で巻き取りたい(内製化)、他社と比べて決めたい |
懸念ごとの答えと、まず確かめることを1枚にまとめると次のとおりです。以下の節で、商談での言い方、答え、確かめ方の順に説明します。

懸念1:雇用保険の加入者がいないと、AI研修の助成金は使えない?
商談での言い方(要約)
業務委託のメンバーが中心で、雇用保険に加入している社員がいない。代表者1人の会社なので、75%の助成の対象にならない。その場合の費用の負担が重い。
受講する人が業務委託の人や法人の代表者・役員だけなら、原則として使えません。人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、受講者が雇用保険の被保険者であることが要件だからです。研修そのものは受けられるので、助成金を使わない前提で、受講する人数と題材にする業務を決めることになります。
誰が受講すると対象になるか
対象になるかどうかは、正社員かどうかといった呼び方ではなく、受講する人が雇用保険の被保険者かどうかで決まります。
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| 受講する人 | 雇用保険(原則) | 人材開発支援助成金 |
|---|---|---|
| 正社員 | 被保険者 | 対象になりうる |
| パート・アルバイト | 1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用の見込みがあれば被保険者 | 被保険者なら対象になりうる |
| 法人の代表者 | 被保険者にならない | 対象外 |
| 取締役などの役員 | 原則として被保険者にならない。部長などを兼ね、働き方や賃金から労働者としての性格が強いと認められる場合に限り、被保険者になることがある | 原則として対象外 |
| 業務委託・請負で働く人 | 会社に雇用される労働者ではないため、被保険者にならない | 対象外 |
※ 厚生労働省「雇用保険制度Q&A~事業主の皆様へ」と「事業展開等リスキリング支援コースのご案内(詳細版)令和8年8月3日版」(PDF)P3・P7・P17をもとに作成。2026年9月時点。業務委託かどうかは契約の名前だけでなく働き方の実態で判断されることがあるため、個別のケースは管轄のハローワーク・労働局で確認してください。
詳細版のパンフレットには、訓練開始日・支給申請日・支給決定日の時点で雇用保険の適用事業所でない(被保険者がいない)事業所は支給の対象にならない、とも書かれています。代表者と業務委託のメンバーだけの会社は、会社としても要件を満たしません。
東京都のDXリスキリング助成金はどうか
東京都の「DXリスキリング助成金」(東京しごと財団、令和8年度)も、受講者は申請企業の従業員であることが要件で、申請企業の代表者と個人事業主本人は対象外です。役員は、雇用保険に加入している場合に限って従業員として扱われます。対象は1研修あたり3時間以上10時間未満の短い研修で、国などのほかの助成とは併用できません(東京しごと財団「DXリスキリング助成金」)。代表者と業務委託のメンバーだけで受講する場合の受け皿にはなりません。
助成金を使わない場合の考え方
助成金を使わない場合は研修料金の全額が自己負担になる一方、計画届の期限に縛られません。当社の研修は、助成金を使わなければ、ご相談から最短2週間で始められます。そのうえで、次のように範囲を絞って始める方法があります。
- 受講する人数を絞る:まず業務の中心にいる人が受講し、研修後に社内へ広げます。当社の研修は「部門に広げられる」を3段階目の到達目標にしています。
- 題材にする業務を絞る:時間を最も食っている業務を選び、その業務だけを研修の題材にします。
- 被保険者がいないかを確かめる:パート・アルバイトの社員でも、上の表の要件を満たせば雇用保険の被保険者です。
当社の考え方
助成金は費用の壁を下げる手段の1つで、研修の目的ではありません。使えるかどうかより先に、どの業務を、誰が、研修後にどう回すかを決めます。そのうえで使える制度があれば、要件の整理と研修側の資料の準備を支援します。
懸念2:助成金は後払い。研修費は先に全額払う?
商談での言い方(要約)
研修費を先に全額払う必要がある。助成金が入るのは先になるので、資金繰りが心配。
はい、先に全額を負担します。人材開発支援助成金は、研修費を支給申請の日までに事業主が全額負担したうえで、訓練が終わってから支給申請をし、労働局の審査を経て支給・不支給が決まる、後払いの制度です。支給までの期間を見込んで、研修費と研修期間中の受講者の賃金を先に負担できる資金計画を立てておきます。
お金の動きと順番
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| 時期 | お金の動き | 注意すること |
|---|---|---|
| 訓練開始日の6ヶ月前〜1ヶ月前 | 計画届を提出する。お金はまだ動かない | 研修会社と、研修費の支払いの時期と方法を確認しておく |
| 研修期間(当社の研修は約3ヶ月) | 受講者の賃金を通常どおり支払う | 訓練期間中も受講者に賃金を適正に支払うことが要件 |
| 訓練終了日の翌日から2ヶ月以内 | 研修費の全額を払い終えたうえで、支給申請をする | 期限を過ぎると支給されない。返金や協力金などで負担が減ると、全額を負担したことにならない |
| 支給申請のあと | 審査を経て支給・不支給が決まり、支給なら振り込まれる | 確認項目が多く、ほかの助成金より決定までに時間がかかると厚生労働省は案内している |
※ 詳細版P3・P10・P40をもとに作成。支給の時期は審査の状況によって変わるため、特定の月数を前提に資金計画を組まないでください。厚生労働省は、この助成金は予算の範囲内で支給されるものだとも案内しています。
資金計画で確かめること
- 研修費の全額を、助成金が入る前提にせず、自己資金で先に負担できるか
- 研修期間中の受講者の賃金。賃金助成も同じく後払いです
- 不支給になった場合。研修費の支払いは、支給・不支給にかかわらず必要です
当社の考え方
当社は、助成金を使った場合の自己負担の目安をお示しするときに、研修費を先に全額ご負担いただくこと、支給されない場合があることを、あわせてご説明しています。「助成金で研修費の負担がなくなる」といった案内は、厚生労働省が不適正な勧誘の例として注意を呼びかけているものです(AI研修の助成金 2026年8月改正のポイント)。
懸念3:決裁が間に合わず、助成金の期限を逃さないか
商談での言い方(要約)
決裁は代表で、上申が必要。繁忙期や決算期と重なり、検討が持ち越しになる。
助成金を使うなら、計画届の期限から逆算して決裁の日程を決めます。計画届は訓練開始日の6ヶ月前から1ヶ月前までに提出し、期限を過ぎると、その開始日の研修は助成の対象になりません。事業展開等リスキリング支援コースは令和8年度末(2027年3月31日)までの時限措置で、2027年4月以降の制度は2026年9月時点で決まっていません。
商談の記録でも、検討が止まりやすい理由として、決裁者が商談に同席していないこと、検討が持ち越しになって助成金の期限に間に合わなくなることが挙がっていました。
逆算の目安
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| 時期 | やること |
|---|---|
| 開始希望の2〜3ヶ月前 | 相談。受講者・題材にする業務・開始時期を決め、社内の稟議を始める |
| 計画届の提出まで | 職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画の策定・社内への周知 |
| 訓練開始日の1ヶ月前まで | 計画届を管轄の労働局に提出(貴社または貴社の社会保険労務士)。郵送の場合は労働局に届いた日が提出日 |
| 研修の開始前 | 当社の研修の場合、AIツールの契約形態とデータの扱いの確認会、受講者への簡易アンケート、端末と通信の確認、演習の題材のすり合わせ、教材の確定 |
※ 詳細版P3・P4・P40・P41をもとに作成。時限措置の終わりにかかる計画の扱いは、その時点の支給要領と管轄の労働局で確認してください。
決裁者に説明する材料
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| 項目 | 説明すること |
|---|---|
| 目的と対象業務 | どの業務の、どの作業を減らしたいか。その作業の現在の所要時間 |
| 受講者 | 誰が受講し、研修後にどの作業をするか。助成金を使う場合、受講者の職務と研修内容の結びつきは審査でも問われる |
| 費用 | 研修料金、助成金を使う場合の自己負担の目安、後払いの資金計画、研修後の伴走サポートを使うか |
| 期限 | 計画届の期限と、時限措置の期限 |
| 情報の扱い | 使うAIツールの契約形態、入力してよい情報の基準、社内ルール |
| 効果の測り方 | 研修前に所要時間を測り、研修の最後に同じ作業を測り直して比べる |
当社の考え方
期限に合わせて決裁を急いでいただくより、期限に間に合う開始時期を一緒に探します。助成金を使わずに先に始める方法もあります。検討の早い段階で決裁者の方にも説明の場に加わっていただくと、上申の資料を作り直す手間が減ります。
懸念4:研修1名40万円は高い?伴走の月額は見合うのか
商談での言い方(要約)
研修1名40万円が見合うか。研修後の伴走の月額はどうか。3ヶ月で足りるのか、半年必要なのか。費用対効果に厳しい決裁者にどう説明するか。
見合うかどうかは、題材にする業務の所要時間と、研修後にその作業を社員が自分で続けられるかで判断します。研修の費用は、システムを1つ作ってもらう費用ではなく、社員が自分の業務をAIで効率化できるようになるための費用です。研修は1回3時間×全6回(約3ヶ月)で、研修後の伴走サポート(9ヶ月・月額制・別途お見積り)は、研修でつくった仕組みを業務に定着させるための別の費用です。
研修と受託開発の違い
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| 項目 | AI研修(社員が作れるようになる) | 受託開発(作ってもらう) |
|---|---|---|
| 作る人 | 受講した社員 | 開発会社 |
| 費用で得るもの | 社員の知識・技能と、研修の演習でつくった仕組み | 依頼したシステム |
| 変更やほかの業務への展開 | 社員が自分で直し、ほかの業務にも広げる | 変更のたびに依頼する |
| 向く業務 | 担当者ごとに違い、細かく変わりやすい作業 | 全社で共通に使い、高い信頼性が求められる仕組み |
| 人材開発支援助成金 | 要件を満たせば対象になりうる | 訓練ではないため対象外 |
費用対効果の確かめ方
- 題材にする業務を選び、1回あたりの所要時間と回数を、研修の前に測る
- 研修後、その作業を誰が続けるかを決める(受講者が使い続けなければ効果は残らない)
- 研修の最後に、同じ作業の所要時間を測り直して比べる。当社の研修では、第6回の成果発表で受講者ごとにBefore/Afterの実測値を提出します
- 研修後に社内で相談できる人がいるかを確かめ、いなければ伴走サポートを検討する
削減時間を会社の目標として先に掲げることは、おすすめしていません。数値目標が先に立つと、受講者は「削減しやすい業務」ではなく「報告しやすい業務」を選びがちだからです。実測値を集めてから目標を決めるほうが、判断を誤りにくくなります。
当社の考え方
当社の研修と伴走は、最終的に貴社が自分で回せる状態をゴールにしています。研修の第5回で、自分で作ってよいものと情報システム部門に任せるものの線引き、引き継ぎを扱い、第6回で社内利用規程のたたき台、相談窓口、12ヶ月のロードマップをつくります。商談でも、外部に頼り続けないこの設計に関心が寄せられました。
懸念5:顧客情報の漏えい・持ち出しが心配
商談での言い方(要約)
顧客情報が漏れないか。悪意のある社員が持ち出したら防げるのか(画面の撮影など、検知しにくい方法もある)。外部からの攻撃はどうか。運用ルールをどう作るか。
AIの利用で起きる情報の事故のうち、入力してはいけない情報を入れる、意図しないファイルを変更するといったうっかりの事故は、AIツールの設定と社内ルールで減らせます。一方、悪意のある社員による持ち出しは、AIを使うかどうかに関係なく起こりうる情報管理の問題で、AIの設定では防げません。こちらは、権限の管理や規程など、AIとは別の対策で備えます。
AIの設定・社内ルールで防げること、防げないこと
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| リスク | AIの設定・社内ルールで | 主な対策 |
|---|---|---|
| 入力してはいけない情報を入れてしまう | 減らせる | 入力する情報を3つに分けた判断基準を全員に配る。迷ったら入力せずに相談する。使うツールの契約形態を確認する |
| AIが意図しないファイルを変更・削除する | 減らせる | 実行前に人の承認を求める設定を既定にする。作業フォルダを1つに限定する。着手前に複製を取る |
| 読ませた文書に仕込まれた指示にAIが従う(プロンプトインジェクション) | 減らせる | 外部から届いた資料を読ませるときは、承認の設定を外さない |
| パスワードなどの認証情報がAIに読まれる | 減らせる | 認証情報をファイルに直接書かない |
| 社員が意図して持ち出す(画面の撮影など) | 防げない | 扱える情報と権限を必要な範囲に絞る、操作の記録を残す、秘密保持の誓約や就業規則で定めるなど、AIに限らない情報管理の対策 |
| 外部からの攻撃 | AIの設定だけでは防げない | アカウントの発行・停止の管理など、既存の情報セキュリティ対策の中で扱う |
※ 上の4行は、当社の研修で徹底している標準設定と社内ルールの考え方です。下の2行の対策は一般的な例で、具体的な方法は貴社の情報システム部門と決めてください。
入力してよい情報の分け方や、ガイドラインに書く項目は、社内AI利用ガイドラインの作り方で詳しく説明しています。
当社の研修での扱い
- 第2回「情報セキュリティとガバナンス」を必修の独立回にし、判定テストの全問正解を修了要件にしています。
- 第1〜2回は当社が用意した架空のデータだけを使います。実データを持ち込むのは第3回以降で、第2回の判断基準に沿ったマスキングを講師が事前に確認したものに限ります。
- 研修の開始前に、貴社の情報システム部門・法務部門と、AIツールの契約形態とデータの扱いを確認します。
- 当社の講師が貴社のデータを持ち帰ることはなく、演習の成果物は貴社の環境に残ります。秘密保持契約の締結にも対応します。
当社の考え方
セキュリティは研修の最後に注意事項として話すのではなく、最初に運用ルールから入ります。禁止事項を並べるより、社員が自分で判断できる基準を配るほうが、会社から見えない場所でのAIの利用(シャドーAI)を減らせると考えているためです。
懸念6:GeminiやCopilotがあるのに、別のAIが必要か
商談での言い方(要約)
社内はGoogle WorkspaceとGeminiが中心。そのうえで、さらにAIツールを契約できるかが分からない。
必要かどうかは、ツールの名前ではなく、AIに任せたい作業で決まります。質問への回答や文章の下書きが中心なら、今のツールで足りることもあります。フォルダにある大量の資料を読ませて一覧表を作る、集計して検算するといった、複数の手順をAIに実行させたい場合は、Claude CodeやCodexのようなエージェント型AIが向いています。
エージェント型AIとは
指示を受けたAIが、自分でファイルを読み、編集し、処理を実行して作業を進めるAIです。Anthropic社のClaude CodeやOpenAI社のCodexがこれに当たります。文章で答えを返すチャットでの使い方とは、人が手を動かす範囲が変わります。
チャットでの使い方とエージェント型AIの違い
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| 項目 | チャットでの使い方 | エージェント型AI |
|---|---|---|
| 返ってくるもの | 文章(答え、下書き、手順の説明) | 作業の結果(一覧表のファイル、修正した資料など) |
| 資料の渡し方 | 1件ずつ貼り付ける・添付する | 作業するフォルダを指定する |
| 見積書40件を一覧表にする(研修用の架空データ) | 約90分(1件ずつ貼り付け、返ってきた表を自分で転記) | 約4分+人の確認10分 |
| 人の役割 | 答えを受け取り、残りの作業を自分でする | 指示し、実行を承認し、結果を確かめる |
※ 所要時間は、当社の研修の第1回で使う架空の見積書40件で講師が実測した参考値です。業務や資料によって変わります。
GeminiやCopilotにも、製品やプランによってはファイルを扱う機能やエージェント型の機能があり、契約によって使える範囲が異なります。比べるべきなのは製品の名前より、自社の業務の作業をどこまで任せられるかです。
確かめ方:同じ課題を解かせて比べる
契約を増やす前に、自社の業務から課題を1つ選び、今のツールとエージェント型AIの両方に解かせて比べます。当社の研修でも第4回で、同じ課題をClaude CodeとCodexの両方に解かせ、評価基準を決めて比べています(Claude CodeとCodexの違い)。
2026年9月時点で、Claude Codeの利用にはClaudeの有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)やAPIなどの契約が必要で、無料プランには含まれません。CodexはChatGPTの各プランで使えますが、プランによって使える場所と上限が異なります。
当社の考え方
当社の研修は、すでに使っているAIツールと契約形態を事前に伺い、第1回と第2回の内容を変えます。今のツールで足りる作業と、エージェント型AIが向く作業を分けて考えることをおすすめしています。
懸念7:データが整っていない・何ができるか分からない
商談での言い方(要約)
Excelの列がファイルごとにバラバラで、そのまま使えるか分からない。何ができるかを調べ始めた段階で、効率化したい業務がまだ言葉になっていない。
データが整っていなくても、何ができるか分からなくても始められます。最初にやるのは、業務の棚卸しと、その業務で使うデータの状態の確認です。列の名前や表記のばらつきを洗い出す作業も、AIに手伝わせることができます。
始め方の手順
- 作業を書き出す:直近1週間の作業を、思い出せるだけ書き出します(30個が目安)。
- 時間を食う作業を選ぶ:毎週・毎月くり返す作業に印をつけて1回あたりの所要時間を書き、時間を最も食っている3つを選びます。
- データの状態を見る:その作業で使うファイルの列名と、架空の数行だけをAIに渡して、構造を確認します。
- ばらつきを一覧にする:同じ意味の列や表記のゆれをAIに対応表にさせ、どれに揃えるかは人が決めます。
- 元のファイルを守る:作業の前に複製を取り、元のファイルは変更しません。
4の指示は、たとえば次のように書きます。
1と2は、当社の研修では第1回の演習で行います。何ができるか分からない段階では、AIに任せられそうな作業を選ぼうとせず、時間を食っている作業で選ぶのがこつです。任せ方は研修の中で身につきます。Excelのファイル同士のつながりを図にする例は、Excelの参照関係の可視化のデモで操作できます。
社内でITスキルに差がある場合
商談では、ITに強い人とそうでない人が混在しているという声もありました。当社の研修は1クラス20名までの対面・双方向型で、講師が演習中に受講者全員の画面を確認できる人数にしています。題材は受講者本人の業務で、「安全に使える」は全員が到達する目標です。
当社の考え方
業務の棚卸しは、研修の前に貴社だけで済ませておく宿題ではなく、研修の第1回の演習として受講者と一緒に行います。30分の無料相談でも、AIに任せられそうな業務をその場で一緒に整理します。
懸念を確かめながら進める、クロスタの研修と伴走
当社の法人向け生成AI研修は、1回3時間×全6回(約3ヶ月)で、受講者本人の業務を題材にします。研修の演習で業務の棚卸し・設計・仕組みづくりを進め、研修が終わってからの9ヶ月は伴走サポート(チャット相談は随時、ミーティングは月2回)で、社内で回る状態にします。研修は1名40万円(税別)、伴走サポートは月額制・別途お見積りで、助成金の対象は研修だけです。商談では、研修と伴走で最終的に自社で回せるようにする設計、セキュリティの運用ルールから入る設計、研修の中で実際に動くものを一緒につくること、自社の課題に近い業務デモを見られることに関心が寄せられました。この記事の懸念のうち当てはまるものがあれば、無料相談で確かめ方から一緒に整理します。
参考にした一次資料
本記事の助成金・雇用保険の情報は、2026年9〜10月に確認した厚生労働省・東京しごと財団の公表資料をもとにしています。制度は年度の途中でも改正されることがあり、支給の可否は労働局の審査で決まります。最新の情報は各機関のページまたは管轄の労働局・ハローワークでご確認ください。