課題(ヒアリングで分かったこと)
この支援先では、毎日の成果の分析とクライアント向けの改善レポートの作成に、1日3時間かかっていました。媒体ごとにデータを取り出して表にまとめ、前の日や前の週と比べ、変化の理由を考えて文章にする。担当するクライアントが増えるほど、分析と報告に1日の多くを取られ、改善の提案を考える時間が残りにくくなります。
作った仕組みと画面イメージ
作った仕組み
- データの自動取得 — 各媒体のレポートを毎日取得し、1つの表にまとめる
- 異常の検知と要因の候補 — 普段と違う動きを見つけ、分け方を変えて要因の候補を挙げる
- レポートの下書き — クライアント向けのレポートを下書きする

異常検知のルール(例)
「異常」とみなす基準は、人が決めて仕組みに渡します。指標ごとに、何と比べるか、どこからを異常とするか、印が付いたら人が何を確かめるかを決めておきます。
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| 指標 | 比べ方 | 異常とみなす例 | 人が確かめること |
|---|---|---|---|
| 成約単価 | 過去14日の平均と比べる | 平均より30%以上高い | どの分け方で悪化しているか。LPや原稿の変更がなかったか |
| 成約数 | 費用が出ているかと合わせて見る | 費用が出ているのに成約が0件 | 計測の設定が外れていないか |
| 費用(消化) | 1日の予算と比べる | 予算を大きく超えた、または大きく届かない | 入札や配信の設定の変更 |
| クリック率 | 原稿ごとに過去14日の平均と比べる | 平均の半分を下回った | 原稿の見られ方、配信先の変化 |
| 表示回数 | 前の日と比べる | 急に大きく減った | 審査による配信の停止、予算の上限 |
| 成約率(LP別) | LPごとに過去14日の平均と比べる | 平均より大きく下がった | LPの改修や表示の不具合 |
※基準の数値は説明のための例です。媒体や商材ごとに、過去のデータを見て決めます。
データの流れ(入力・AI・人の分担)
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| 段階と入力 | AIと仕組みがやること | 人がやること |
|---|---|---|
| データの取得入力: 各媒体のレポート(費用・表示・クリック・コンバージョンなど) | 毎日自動で取得し、1つの表にまとめる | なし(自動) |
| 異常の検知入力: 日次の数字 | 普段と比べて大きく動いた指標を見つける | 「異常」とみなす基準を決める |
| 要因の分析入力: 異常が出たキャンペーンのデータ | 媒体・キャンペーン・原稿・LPなどに分けて、要因の候補を挙げる | 候補を確かめ、予算の配分や原稿の差し替えを決める |
| レポート入力: 分析の結果 | クライアント向けのレポートを下書きする | 数字と表現を確認し、提案を加えて送る |
要因の分析で大事なのは、分け方です。当社の広告運用の分析デモでは、媒体別に見るとSNSが最も悪化しているように見えても、LP別に分け直すと原因はLPの改修だった、という例を試せます。AIには複数の分け方で比べさせ、人は「どの分け方で見た結論か」を確かめてから判断します。
効果
広告の分析とレポート作成は、1日3時間から20分(約9割減)になりました。空いた時間は、クリエイティブの改善や新しい施策の提案に使われています。
※効果は業務内容・体制により異なります。
つまずきやすい点・注意点
- コンバージョンの数え方は、媒体ごとに違うことがあります。媒体の数字をそのまま足さず、自社で使う定義を決めてから比べます。
- AIが挙げる要因は仮説です。予算を動かす前に、根拠になった数字を人が確かめます。
- 基準が厳しすぎると印が増えて見なくなり、緩すぎると見落とします。印が付いた件数と、実際に対応が必要だった件数を見比べて、基準を直していきます。
自社で始めるなら最初の一歩
先週分の広告レポートを各媒体からCSVで書き出し、AIに「大きく動いた指標と、考えられる要因」を出させてみてください。担当者の見立てと比べて同じ結論に届くか、見落としていた分け方がないかを確かめると、どこまで任せられるかが分かります。
担当者より
広告の分析で意識したのは、AIに「答え」ではなく「候補」を出させることです。予算の配分や原稿の差し替えは、お金と表現にかかわる判断なので人が決めます。その代わり、候補に根拠の数字と「どの分け方で見た結論か」が添えられていれば、担当者は短い時間で確かめられます。
レポートの下書きも同じです。数字の動きを説明する文章までは仕組みが書けますが、クライアントの事情を踏まえた提案を加えるのは担当者です。この分担は崩さないようにしています。
株式会社クロスタ 担当コンサルタント