Microsoft Copilotは、ふだん使っているWord・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsの中で使えるAIです。社内で使ってよいAIをCopilotに限っている会社も多く、社員にどう使い方を広げるかが課題になっています。
この記事では、Copilot研修で何を学ぶべきかを、アプリ別にできること、Microsoftの無料の学習資料、研修で補うべきこと、カリキュラムの例の順に整理します。
※ 2026年に「Microsoft 365 Copilot」は「Microsoft Copilot」へ、「Microsoft 365 Copilot Chat」は「Microsoft Copilot Chat」へ名称が変わりつつあり、移行期間中は両方の名称が使われています。この記事では旧名称で書きます。
アプリ別に、Copilotでできること
Microsoftの公式サポートでは、アプリごとに次のような使い方が紹介されています。使える機能は、契約と組織の設定、提供の時期によって異なります。
| アプリ | できること(公式サポートより) | 研修での使いどころの例 |
|---|---|---|
| Word | 簡単な依頼やメモ、参照ファイルから下書きをつくる/既存の文書に節や表を加える/選んだ文の書き換え(トーンの調整・簡潔にする) | 部門の様式に沿った報告書・提案書のたたき台 |
| Excel | データや数式の生成、グラフやピボットテーブルの作成/データについて質問して分析結果を得る、並べ替えや絞り込み | 売上・経費の集計と、元の表との突き合わせ(検算) |
| PowerPoint | 新しいプレゼンテーションの作成(確認の質問→構成→スライド)/Wordの文書からの作成/組織のテンプレートから始める | 報告資料から説明用スライドの構成案 |
| Outlook | 受信トレイや予定表について質問する、メールの要約/下書きの作成、会議の設定など。アドオンのライセンスがあると、チャットや文書などの社内の情報も横断して使える | 長いやりとりの要約と、返信の下書き(送信前に人が確認) |
| Teams | 会議の要点の要約/やるべきことの提案/会議中・会議後の質問への回答。会議後に使うには文字起こしが必要で、組織外が主催する会議では使えない | 会議の決定事項と、担当・期限つきの課題一覧 |
※ 出典: Microsoft サポート「Microsoft Copilot でできること」と各アプリのページ(Word/Excel/PowerPoint/Outlook/Teams)(2026年10月時点)。右の列は当社の研修での例です。
Microsoftの無料の学習資料
Copilotの操作は、Microsoftの無料の資料でも学べます。研修の予習・復習にも使えます。
- Copilot Skilling Center:Copilot アカデミー、ウェビナー、講師付きのトレーニング、リーダー向けの学習などをまとめた入り口(日本語のページあり)
- Copilot アカデミー:Viva Learningの中で使える学習コンテンツ。Microsoft 365の利用者が使え、管理者が対象を絞ることもできる(Microsoft Learn)
- プロンプト ギャラリー:Microsoftがつくった指示の例や動画、自分で保存した指示、チームで共有した指示をCopilotの中で使える(Microsoft Learn)
※ 2026年10月時点の公式情報にもとづきます。以前の「Copilot Prompt Lab」のアプリは2025年7月に提供を終えています。
研修で補うべき4つのこと
無料の資料で操作を学べるのに、研修が必要なのはなぜか。研修で身につけるべきなのは、操作そのものより、操作を自社の業務と決めごとにつなげる部分です。

- 自社の業務への当てはめ:どの業務に、どの順番で使うか。受講者本人の業務を題材にして、使いどころを自分で見つけられるようにします。
- 入力してよい情報と過剰共有:何を入力してよいか、共有設定が広すぎる資料があると何が起きるか。社内のルールとして決めます。
- 結果の確かめ方:集計は元の表と突き合わせて検算する、調べものは出典を開いて確かめる。演習で手順にします。
- 社内への展開と定着:うまくいった指示の共有、相談窓口、効果の測り方、新しく入った人への教え方。最終回で計画をつくります。
カリキュラムの組み方(全6回の例)
当社のCopilot研修は、1回3時間・隔週の全6回で、次のように組んでいます。契約によって使えない機能は、使える範囲の方法に置き換えます。
| 回 | テーマ | 中心の演習 |
|---|---|---|
| 第1回 | 生成AIの現在地と、Copilotの種類(Copilot Chat/Microsoft 365 Copilot/エージェント) | 自分の業務を書き出し、Copilot Chatと一緒に棚卸しする |
| 第2回(必修) | 情報セキュリティとガバナンス(入力してよい情報、企業データ保護の範囲、過剰共有、Web検索の扱い) | 「これは入力してよいか」の判定ワーク。修了要件のテスト |
| 第3回 | Officeアプリで業務に効かせる(Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams) | 部門の実データ(マスキング済み)で、集計レポートと報告資料をつくる |
| 第4回 | 調べる・分析するAIと、確かめ方(リサーチ ツール・アナリスト。契約による) | 同じ問いを複数の方法で調べさせ、評価基準をつくって比べる |
| 第5回 | 業務用のエージェントをつくる(Copilot Studio など。契約による) | 自部門の繰り返し作業を1つ選び、エージェントにする |
| 第6回 | 社内展開と定着・成果発表 | Before/Afterの実測値を伴う成果発表と、部門への展開の計画 |
短い研修で操作を一通り知るだけだと、研修の翌週から仕事のやり方が元に戻りがちです。回数を分けて、自分の業務で試す→次の回で振り返る、を繰り返すことで、日々の業務に組み込まれやすくなります。
Copilot研修を選ぶときの確認項目
| 確認項目 | 質問の例 |
|---|---|
| 契約に合っているか | Copilot Chatだけの社員と、Microsoft 365 Copilotのライセンスがある社員の両方に対応できますか。 |
| 題材が自社の業務か | 開始前に部門の業務課題を預かり、教材に反映しますか。 |
| セキュリティを扱うか | 入力してよい情報の判断と、過剰共有の仕組みを研修で扱いますか。管理者の設定の確認も手伝ってもらえますか。 |
| 結果の確かめ方を教えるか | 検算や出典の確認を、演習の手順に組み込んでいますか。 |
| 研修の後に定着するか | 研修の後の相談や、社内への展開の計画づくりまで支援がありますか。 |
| 費用と助成金 | 1名あたりの料金と時間数、Copilotのライセンス費用が含まれるか、助成金の対象になるか。 |
研修会社の選び方全体は、コラム「AI研修会社の選び方」で、11項目のチェックリストとして紹介しています。
当社のCopilot研修
当社のCopilot研修(法人向け)は、全6回の法人向け生成AI研修をMicrosoft Copilotだけで行う版です。Copilot Chatだけの会社にも、Microsoft 365 Copilotを入れている会社にも、契約の範囲で対応し、受講者本人の業務を題材に、Word・Excel・Teamsでの業務効率化から、過剰共有を防ぐ設定、Copilot Studioでのエージェントづくりまで扱います。料金は1名40万円(税別)で、人材開発支援助成金の対象になる場合があります。
導入前の共有設定の点検は、コラム「Microsoft Copilotの情報漏洩リスクとは?」で手順を紹介しています。