Codexは、OpenAI社が提供するエージェント型のAIです。チャットのように文章を返すだけでなく、指示を受けると自分でファイルを読み、編集し、実行して作業を進めます。開発者向けの道具と思われがちですが、フォルダの資料をまとめて処理する、表を集計するといった作業は、非エンジニアの業務にも多くあります。

この記事では、非エンジニアがCodexを業務で使うときに知っておくことを、OpenAIの公式情報(2026年10月時点)にもとづいて整理します。

Codexとは:使える場所とプラン

Codexとは

Codexは、OpenAI社のエージェント型のAIです。指示を受けると、指定したフォルダのファイルを読み、編集し、コマンドを実行して作業を進め、結果を確かめて直すところまで行います。ChatGPTの各プランに含まれ、ChatGPTのデスクトップアプリ、ターミナル(Codex CLI)、VS CodeなどのIDEの拡張機能、Webから使えます。

項目内容(2026年10月時点)
使える場所ChatGPTのデスクトップアプリ(Codexモード。macOS・Windows・Linux)、Codex CLI、IDEの拡張機能、Web
使えるプランFree・Go・Plus・Pro・Business・Edu・Enterpriseに含まれ、ChatGPT Workと利用量の枠を共有する。クラウドで作業を任せる機能(Codex Cloud)はPlus以上が対象
会社向けのプランBusiness:1ユーザー月20ドル(2名以上・年払い)、月払いは25ドル。SAMLのシングルサインオン、多要素認証、既定で業務データを学習に使わない。Enterprise:営業経由の契約で、SCIM、権限の細かい管理、監査ログなど

※ 料金は公式の米ドル表示です。出典: OpenAI「Pricing」、OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT プランで Codex を使う」(2026年10月時点)。プランの内容は変わることがあります。

Chat・Work・Codexの使い分け

OpenAIは、ChatGPTの使い方を次の3つに分けて案内しています。Codexは開発者向けと位置づけられ、資料などの成果物づくりには「ChatGPT Work」が案内されています。

使い方OpenAIの位置づけ非エンジニアの業務での例
Chat質問や壁打ち文章の言い換え、考えの整理、調べものの入り口
ChatGPT Work成果物を決めて任せ、確かめられる結果を受け取る(スライド、ファイルの分析、レポート、計画など)報告書・スライド・表の下書き、資料の分析
Codex開発者向けのエージェントフォルダの中のたくさんのファイルを読ませる、集計して検算する、同じ手順を繰り返す

※ 出典: OpenAI「Use ChatGPT」「Get started with ChatGPT Work」(2026年10月時点)。右の列は当社の研修での使い分けの例です。

迷ったときは、「できあがりの資料がほしい」ならWork、「たくさんのファイルに同じことをしたい」ならCodex、と考えると判断しやすくなります。

非エンジニアが最初に任せる5つの作業

最初は、ファイルを書き換えない「読ませる・調べさせる」作業から始め、慣れてから書き込みや繰り返しの作業に広げます。

作業指示の例
01 フォルダの中身を棚卸しする「このフォルダに何が入っているか、種類別に件数を教えて」
02 資料を横断して一覧表にする「このフォルダの見積書を全部読んで、取引先・金額・納期の一覧表をつくって」
03 表を集計し、検算する「先月分だけに絞って合計を出して。元の表と突き合わせて、合わないところがあれば教えて」
04 議事録から課題一覧をつくる「この議事録から課題を抜き出して、担当者と期限つきの一覧にして」
05 毎月の作業を手順にする「今やった集計の手順を、来月も同じようにできるようにファイルにまとめて」

どの作業でも、AIが出した数字や一覧をそのまま報告に使わず、元のデータと突き合わせて確かめることを手順に入れます。

安全な設定:サンドボックスと承認の2つの層

Codexの安全の仕組みは、技術的にどこまでできるかを決める「サンドボックス」と、いつ人に確かめるかを決める「承認」の2つの層でできています。既定では、ネットワークを使わず、書き込めるのは作業フォルダの中だけです。

Codexの安全の仕組みの2つの層の図。サンドボックスは read-only(読むだけ)、workspace-write(作業フォルダの中だけ書き込める・ネットワークは使わない・既定)、danger-full-access(制限なし・研修では使わない)。承認は on-request(範囲の外に出る操作などで人に確認を求める・既定)、granular(操作の種類ごとに細かく決める)、never(確認しない・研修では使わない)。下に、バージョン管理されたフォルダはAuto、管理されていないフォルダは読むだけが推奨、破壊的と表示される外部ツールの呼び出しは常に承認が必要、と書かれている
Codexの安全の仕組みの2つの層(2026年10月時点の公式ドキュメントより)。図はイメージです
  • 変更の履歴が残るフォルダ(バージョン管理されたフォルダ)では「Auto」(作業フォルダ内の書き込み+必要なときに確認)、そうでないフォルダでは「読むだけ」が推奨されています
  • 作業フォルダの中でも、一部の設定用のフォルダは書き込みから保護されます
  • 「破壊的」と表示される外部ツールの呼び出しは、設定にかかわらず承認が必要です
  • デスクトップアプリでは、操作のたびに確認する「Ask for approval」が基本のモードです

※ 出典: OpenAI「Agent approvals & security」「Permissions」(2026年10月時点)。Enterpriseでは、管理者が利用者に変えさせない設定を配ることもできます。

非エンジニアの部門では、まず「読むだけ」で始め、書き込みを許すのは、元の資料の複製を取るか、変更の履歴が残るフォルダにしてからにします。

AGENTS.mdで社内ルールを伝える

Codexは、作業の前にAGENTS.mdというファイルを読みます。全体用の置き場所と、フォルダごとの置き場所があり、作業するフォルダに近いものほど優先されます(合計の大きさには上限があります)。部門の用語・様式・禁止事項・チェック観点を書いて置くと、毎回の前置きを書かなくて済みます。

  • 用語:部門で使う略語と正式名称
  • 様式:報告は「結論・根拠・次の対応」の順、金額は税抜
  • 禁止事項:元の資料を上書きしない、顧客の個人名を出力に含めない
  • チェック観点:合計は元の表と突き合わせて検算する

AGENTS.mdは前提を伝えるファイルです。確実に止めたい操作は、上のサンドボックスと承認の設定で止めます。

※ 出典: OpenAI「Custom instructions with AGENTS.md」(2026年10月時点)。

会社で使うときのデータの扱い

OpenAIは、ChatGPT Business・Enterprise・Eduなどのデータ(入力と出力を含む)は、既定で学習に使わないと説明しています。データは保存時・転送時に暗号化され、Enterpriseなどではデータの保存場所として日本も選べます。保存期間を管理できるのはEnterpriseなどのプランです。なお、フィードバック機能などでデータの共有に明示的に同意した場合は扱いが変わります。

※ 出典: OpenAI「ビジネスデータのプライバシー、セキュリティ、コンプライアンス」「OpenAI におけるエンタープライズプライバシー」(2026年10月時点)。

個人向けのプランと会社の契約では扱いが変わるため、業務では会社の契約のアカウントで使うことをルールにします。入力してよい情報の決め方は、コラム「社内AI利用ガイドラインの作り方」で紹介しています。

当社のCodex研修

当社のCodex研修(法人向け)は、全6回の法人向け生成AI研修をChatGPTとCodexだけで行う版です。会社として使ってよいAIをOpenAIのサービスに限っている会社でも、受講者本人の業務を題材に、資料の調査や表の集計、繰り返し作業の自動化まで身につけられます。第2回を情報セキュリティの必修回とし、サンドボックスと承認の設定、入力してよい情報の判断基準を全員で確かめます。料金は1名40万円(税別)で、人材開発支援助成金の対象になる場合があります。

Anthropic社のClaude Codeとの違いは、コラム「Claude CodeとCodexの違い」で比べています。